米軍、5月にミサイル迎撃実験 朝鮮による発射を想定


(CNN) アメリカ国防総省は19日までに、朝鮮民主主義人民共和国のミサイル発射を想定した2度の迎撃実験を5月に実施すると発表しました。

実験はアメリカ軍の弾道ミサイル防衛計画の一環として、太平洋で実施することになります。同計画は対朝鮮または対イランを想定していますが、今回は特に、朝鮮民主主義人民共和国の脅威に対峙できる能力を確認します。

このうち改良型の標準ミサイル発射実験では、推進装置と弾頭を改良したミサイルを海軍艦から発射します。同ミサイルでは到達距離を伸ばし、朝鮮民主主義人民共和国沿岸から発射されるミサイルも撃墜できることを想定します。迎撃の精度も高めています。

同ミサイルは朝鮮のミサイルを迎撃する目的で、日本と共同で開発したもので、発射実験は今回が2度目となります。

5月下旬には、アメリカ本土を脅かす恐れのある朝鮮の大陸間弾道ミサイルを撃墜する実験を行います。実験にはアラスカ州とカリフォルニア州に配備した地上型の長距離迎撃ミサイルを使用します。カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から発射するミサイルでは、太平洋上空を飛行してくるミサイルの迎撃をシミュレーションするということです。

国防総省によりますと、このシステムは10年以上前から存在していましたが、実験の成功率は半分程度にとどまります。兵器実験に関する国防総省の直近の報告書では、長距離ミサイル迎撃システムについて「朝鮮やイランが発射する少数の単純な中距離あるいは大陸間弾道ミサイルから米本土を防衛できる能力は限定的」と批判していました。

国防総省では米国家安全保障会議(NSC)による対朝鮮政策の見直しの一環として、アメリカ政権が行動を決断をした場合に備え、1カ月以上前から軍事的な選択肢を検討していました。

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